
梵鐘単体の評価
高野山・金剛峯寺:福島正則が寄進した仮名交じりの鐘
極楽橋駅に到着した後は、ケーブルカーとバスを乗り継ぐと、いよいよ金剛峯寺に入ります。まず出迎えるのは、金剛力士像が立つ大門です。その先には壇上伽藍、金剛峯寺、奥の院へと続く参道が約2キロにわたり伸び、周囲には100を超える寺院が点在します。高野山全体が「一山境内地」と称され、山そのものが一つの大寺院として機能しているのが特徴です。

広大な高野山にはコンビニも!
2013年に開業したファミリーマート高野山店は、参拝者や僧侶にとって欠かせない存在です。数千人のお坊さん、職員にとって高野山は生活の場でもあります。お寺では電子マネーが使えないこともあるのでコンビニATMは重宝しました。ここならではの高野山グッズやお土産物も売ってます。外観は周囲の景観に合わせて落ち着いたデザインとなっています。

梵鐘しらべ

| 時間 | 6時から22時までの偶数時 |
| 打数 | 12打 |
| 前捨て鐘 | ー |
| 実質 | 12打 |
| 後捨て鐘 | ー |
角濱ごまとうふ総本舗

高野山の1,200年以上の歴史の中で、僧侶を支えてきた精進料理。その中で、ごまとうふは欠かせない一品です。角濱ごまとうふ総本舗の「生ごまとうふ」は、賞味期限が当日限りという新鮮なもので、ごまの風味が濃厚です。私たちが東京で食べているごまとうふとは比べ物にならない美味しさです。
空海が入定した承和2年(835年)から現在に至るまで一日も欠かさず続けられている食事供養の儀式「生身供(しょうじんぐ)」。そのメニューにも採用されているほどの特別な逸品です。
梵鐘ものがたり

高野山に時を告げる鐘
「六時の鐘」は、元和3年(1617年)、豊臣秀吉の家臣であった福島正則が父母の追善菩提のために発案し、翌元和4年(1618年)に完成しました。銘文には「此山中に洪鐘有と、いえとも二六時を報する声なし」——山中に鐘は数あれど、時刻を報せる声がない——と、当時の高野山の状況が記されています。
現在も鐘は、午前6時から午後10時まで、2時間ごとの偶数時、深夜を除く1日9回、それぞれ12打ずつ撞かれます。9回×12打で、一日合計108回。
今使われている鐘は寛永7年(1640年)の火災後に福島正利が再鋳したものです。この鐘は石垣の上にある鐘楼に設置されているので直接見ることはできません。銘には「福島宰相正則」という有名なが戦国武将明記されていること、仮名文字交じりの銘文が刻まれていることで、非常に珍しい例として知られています。

かな交じりの銘文が刻まれた、稀有な鐘
かな文字が交じった銘文を持つ梵鐘は、現存する例そのものが極めて少ないとされます。梵鐘研究の泰斗・坪井良平は、著書『日本の梵鐘』の中で、六時の鐘とともに、水戸藩校・弘道館に置かれた学生警鐘を、かな交じり銘文の実例として並べて紹介しています。ただし弘道館の鐘は藩校の時報用であり、寺院の梵鐘ではありません。寺院に設置されたかな交じり銘の梵鐘として、江戸時代を通じて確認できる例は、六時の鐘をおいて他にないことになります。
時代が下って現代では、童謡「夕焼け小焼け」の作詞が刻まれるなど、バラエティーに富んだ仮名銘文も生まれています。

銘文が語る、二人の福島
鐘には、正則による創建と、息子・正利による再鋳、二つの由緒が刻まれています。
前半には、備後・安芸二国を領した福島正則が、父母への孝養を尽くすため職人を招き、新たに鐘を鋳て高野山に寄進した経緯が記されています。鐘は元和4年(1618年)2月6日に完成しました。
南山高野金剛峯寺は大師草創より、此のかた密教さかりにして一絲毫を違易せず今に厳然たり。然に此山中に洪鐘有と、いえとも二六時を報する声なし。宗徒是を嗟嘆する事久し。爰に尾州海東の生縁福島宰相正則、勝を千里に決し治を大邦にやすんす。故に備芸二の州を領す。外仁義を施し内孝養を旨とするによりて、先考の父慈愛の母追善のために治工を招て新に華鐘を鋳て彼山に寄附す。加之三箇の浄人に命じて時々の響音たふる事なからしむ。凡其功徳是を撃は一切の悪道頓に停止を得、是を聞は十方の聖衆来て共同を利す。乞願ふ所は此力によりて諸の衆生現当二世安楽ならしめんとや。元和四戊午暦二月六日
後半は、正則の没後の出来事です。正則が生きていた間は無事だった鐘も、寛永7年(1630年)10月4日、火災によって失われてしまいます。それから五年後の寛永12年(1635年)、正則の子・正利が父の志を継いで再鋳したのが、現在の鐘です。「この鐘の音が末永く絶えることのないように」という願いの言葉で、銘文は締めくくられています。
福島宰相月翁正印大居士在世之時洪鐘をゐて万世に残す。雖然寛永七年十月四日はからさりき鬱攸之災にかかり烏有と成。爰においにて、孝子福島市丞正利大居士のこころさしをつゐて、ふたたひ梵鐘をゐて高楼にかく。伏てねかはくはこの鐘好音つきす千秋万歳ならん事を。寛永十二乙亥暦卯月十二日
銘には「福島宰相正則」という戦国武将の名が明記されていることも、非常に珍しい例として知られています。

アクセス
住所
和歌山県伊都郡高野町高野山132
ホームページ
皆さんお寺で鐘を鳴らした経験があると思います。お寺の鐘、梵鐘(ぼんしょう)はとても身近な文化です。それぞれの寺や地域の歴史を反映し、豊富なバリエーションが存在します。
しかし最近では騒音問題や人手不足により、その文化は急速に失われつつあります。日々の生活や街の風景が変わる中で、鐘の音は変わらない唯一の文化遺産です。
「お寺の鐘しらべ」では、梵鐘にまつわる文化や歴史を通して、鐘の魅力を発信しています。朝活やお仕事後のひとときに楽しめるプチ旅行の参考としてもご活用いただけます。
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