福井・永平寺:山奥にひっそり佇む禅修行の聖地

厳しくも優しい修行の場

禅の教えを基本とする、いわゆる禅寺は厳しい修行のイメージがあります。曹洞宗の大本山であるこのお寺には、全国からお坊さんが修行にやってきます。梵鐘から山門に続く道は、お坊さんが修行に入る時、そして修行を終えた時にだけ使われます。永平寺の修行はそれくらい特別なものと言えます。誰の話か言うことはできませんが、お寺の用事で町まで外出できるようになると、コンビニでチョコレートなどを仕入れて、外出できない後輩の修行僧にコッソリ持ち帰ることもあるそうです。

永平寺には福井駅からバスが便利

福井駅から直通バスを利用するのが便利です。1時間に1本くらい運航しているので福井駅東口の切符売り場で確認してみましょう。ローカル線の雰囲気を味わうのであれば、福井駅からえちぜん鉄道で永平寺口駅、そこからバスで永平寺に行くこともできます。どちらのルートでも永平寺のバス停は門前町まで。そこからお寺の入り口までは10分くらい歩きます。

梵鐘しらべ

時間毎日4時30分、10時55分、19時30分
打数7 打
前捨て鐘-
実質7 打
後捨て鐘-

永平寺から最寄り駅(永平寺口駅)まで歩いて

永平寺はスピリチュアルな山寺

えちぜん線の永平寺口駅が最寄りですが、そこから永平寺までは7キロ以上離れています。バスなど乗り物を利用しないと厳しい距離です。途中にコンビニなども無く、夜はひたすら真っ暗闇です。

夜の鐘の響きを求めて

19時30分の鐘を聞くためには、永平寺口駅から永平寺行きの最終バスを利用すればギリギリ間に合います。ただし、鐘を聞いたあと帰りのバスは既に終わっているため、7キロ以上の山道を歩いて下る必要があります。

人家が見えるまで1時間くらい歩く

この写真は6月にお寺から駅まで歩いた際に撮影したもので、19時45分ごろのものです。ほどなく真っ暗になり、1時間くらいはひたすら人家なども無い山道を進みます。人影が見えるようになるのは本当に駅の近くだけでした。

見かけたホタルは100匹以上

6月中旬、ホタルの時期だったので、おそらく100匹以上見かけました。また、茂みからこちらを覗く猿にも遭遇しましたが、都会では味わえない自然を感じられる貴重な経験でしたが、安全面からはおすすめできません。

梵鐘ものがたり

打鐘のスケジュールは毎日変わる

永平寺は七堂伽藍と呼ばれる禅修行の整ったお堂が有名です。その中でも最古の建築物である山門、その目の前に梵鐘があります。朝と夜の鐘は参拝時間外のため境内から見ることはできませんが、お寺の外の参道からでも美しい音色を堪能できます。永平寺は禅宗独自の5日周期カレンダーで活動されています。打鐘スケジュールもそれに沿って少し変則的です。朝、昼、夜の3回は基本打鐘がありますが、例えば三八日という3と8の日には15時40分から7回打鍾、四九日は朝4時56分からといった具合です。

梵鐘の響きと七堂伽藍

永平寺では掃除も重要な修行のひとつとされ、特に三八日(3のつく日、8のつく日)はお坊さんが念入りに掃除をします。15時40分になると、永平寺を開いた道元禅師が一つ一つのお堂を巡って、掃除すなわち修行の成果を確認します。永平寺には七堂伽藍と呼ばれるお堂が七つあるので、三八日の午後は7回打鍾されるそうです。

お寺に併設された寂光苑では、一般参拝者が自由に鐘を撞くことができます。永平寺での静寂なひとときを楽しんでください。

アクセス

住所

福井県吉田郡永平寺町比志-15

ホームページ

https://daihonzan-eiheiji.com/

お寺の鐘しらべ管理人

  • 東京在住のサラリーマン
  • 梵鐘の愛好家
  • 出張先や夜時間に梵活中

皆さんお寺で鐘を鳴らした経験があると思います。お寺の鐘、梵鐘(ぼんしょう)はとても身近な文化です。それぞれの寺や地域の歴史を反映し、豊富なバリエーションが存在します。

しかし最近では騒音問題や人手不足により、その文化は急速に失われつつあります。日々の生活や街の風景が変わる中で、鐘の音は変わらない唯一の文化遺産です。

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