滋賀・延暦寺横川:名僧たちが歩いた奥の院に響く鐘

比叡山延暦寺は東塔・西塔・横川の三塔からなる広大な寺院群です。そのなかでも横川(よかわ)は、東塔から北へさらに奥へと進んだ場所にある、もっとも静かなエリアです。源信、良源、親鸞、日蓮、道元といった名僧たちが修行や思索の時を過ごしました。比叡山が「日本仏教の母山」と呼ばれる所以を、もっとも肌で感じられるのがこの横川です。

東塔の参拝券で横川にも入ることができます。東塔からシャトルバスで約15分。徒歩なら東海道自然歩道を100分以上歩くことになります。それだけの距離を経てたどり着く横川には、訪れる人がぐっと少なくなり、杉木立のなかに灯籠が並ぶ参道は、どこか別世界の入口のようです。

横川中堂|遣唐使船を模した、舞台造りの本堂

横川中堂は、横川エリアの本堂にあたります。嘉祥元年(848)、唐から帰国した円仁が建立した首楞厳院(しゅりょうごんいん)が始まりです。
朱塗りの堂は、舞台造りで山の斜面に張り出して建てられています。横から見ると、まるで船が浮かんでいるよう。これは円仁が学んだ唐への航海、遣唐使船をモデルにしたものと伝えられています。

梵鐘しらべ

時間いつでも撞ける
打数
前捨て鐘
実質
後捨て鐘

おみくじ発祥の地・元三大師堂

鐘楼から少し進んだ先にあるのが、元三大師堂(四季講堂)です。第十八代天台座主・元三慈恵大師良源(912-985)を祀るお堂で、現在の建物は江戸時代の慶安年間(1648-1652)の再建と伝えられます。

良源は、私たちが現在引いている「おみくじ」の原型を考案した人物とされています。元三大師堂は、おみくじ発祥の地。境内には「おみくじ発祥之地」の石碑と、良源が鬼の姿になって疫病を退けたという伝説に基づく「角大師」の碑が並んで建っています。

梵鐘ものがたり

横川中堂から元三大師堂(四季講堂)へと向かう道の途中、参道の脇に朱塗りの鐘楼が建っています。

江戸中期から残る朱塗りの鐘楼

この鐘楼は、江戸時代中期の貞享4年(1687)に造営されたもの。桁行一間、梁間一間、切妻造、桟瓦葺で、外壁は柱のみの吹き放し。木部は朱塗りです。江戸時代中期の鐘楼建築の遺構として貴重で、平成28年(2016)に国の重要文化財に指定されました。

アクセス

住所

滋賀県大津市坂本本町4225

お寺の鐘しらべ管理人

  • 東京在住のサラリーマン
  • 梵鐘の愛好家
  • 出張先や夜時間に梵活中

皆さんお寺で鐘を鳴らした経験があると思います。お寺の鐘、梵鐘(ぼんしょう)はとても身近な文化です。それぞれの寺や地域の歴史を反映し、豊富なバリエーションが存在します。

しかし最近では騒音問題や人手不足により、その文化は急速に失われつつあります。日々の生活や街の風景が変わる中で、鐘の音は変わらない唯一の文化遺産です。

「お寺の鐘しらべ」では、梵鐘にまつわる文化や歴史を通して、鐘の魅力を発信しています。朝活やお仕事後のひとときに楽しめるプチ旅行の参考としてもご活用いただけます。

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