梵鐘単体の評価
東京・築地本願寺:オリエンタルな朝の鐘とグルメスポット
外観が特徴的な都心の大寺院
本堂の入り口にはステンドグラスがあしらわれている
築地本願寺は、銀座から歩いてすぐの都心に位置する大きな寺院です。一見すると教会のような建物ですが、れっきとした浄土真宗のお寺です。建築家の伊藤忠太が、仏教発祥の地であるインドの建築様式を取り入れて、独自に発展させたデザインと言われています。本堂にはステンドグラスやアジアの動物像、パイプオルガンなどがあり、どことなくオリエンタルな雰囲気を漂わせています。
早朝から大人気のカフェTsumugi
開店前は朝食目当ての大行列
毎朝7時に晨朝(じんじょう)と呼ばれる朝の法要が本堂で行われます。約30分のお経、10分の講話、そして合唱が行われ、だいたい8時前に終了します。晨朝が終わって8時になると、境内にあるカフェTsumugiがオープンします。朝食メニューの一番人気は18品の朝ごはん (tsukijihongwanji.jp)です。ここのカフェは大人気で、オープンの1時間前には既に行列ができています。
梵鐘しらべ
時間 | 毎朝6時30分 |
打数 | 10 打 |
前捨て鐘 | ー |
実質 | 9 打 |
後捨て鐘 | 1 打 |
築地市場とお寺の密接な間柄
築地市場のルーツは本願寺の門前町
築地本願寺の隣には築地場外市場があります。お魚だけでなく、お肉や野菜のお店、レストランなどが数多く立ち並んでおり、お寺を参拝した後に訪れたいグルメスポットです。毎日たくさんの買い物客、とくに海外からの旅行客で賑わいます。この市場はもともと本願寺の門前町として栄えました。
関東大震災の復興活動で魚河岸が誕生
現在はお寺と場外市場の間が晴海通りで隔てられていて、本堂が市場の方を向いていないため、両者の一体感はあまり見られません。しかし、関東大震災で焼失した先代の本堂は場外市場の方を向いていました。また、震災後の復興計画で日本橋の魚河岸が築地に移転してきたことで門前町が様変わりしたそうです。お寺を参拝した後は、築地場外市場で賑やかな朝食もおすすめです。
梵鐘ものがたり
鐘の塔からわずかに撞木が見える
法要の開始を告げる喚鐘の響き
築地本願寺では毎朝7時から朝のおつとめが厳かに行われます。晨朝の始まりに際し、勢いよく響く喚鐘がその開始を告げます。この喚鐘の様子は、1階中庭から見学できます。晨朝が始まる約2分前には、法要の開始を知らせる合図として雲版(うんぱん)が2度打たれます。喚鐘の儀式に関する様子はこちらのYouTubeでご覧いただけます。
暖かい雰囲気の大晦日2023
梵鐘は更に早い時間、朝の6時30分に打鐘されます。この鐘は東側の搭の上部に設置されています。搭の上部はルートが急で危険なため立ち入ることができません。以前は除夜の鐘が一般参拝者にも開放されていましたが、2023年の大晦日からは境内の広場に設置された小さな鐘を鳴らすスタイルに変更されました。搭に上るチャンスが無くなったのは残念ですが、広場では焚火が用意され、暖かい飲み物を楽しみながら、素晴らしい雰囲気の中で新年を迎えることができます。
大晦日の築地本願寺は和やかな雰囲気
アクセス
住所
東京都中央区築地3丁目15-1
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お寺の鐘しらべ管理人
- 東京在住のサラリーマン
- 梵鐘の愛好家
- 出張先や夜時間に梵活中
皆さんお寺で鐘を鳴らした経験があると思います。お寺の鐘、梵鐘(ぼんしょう)はとても身近な文化です。それぞれの寺や地域の歴史を反映し、豊富なバリエーションが存在します。
しかし最近では騒音問題や人手不足により、その文化は急速に失われつつあります。日々の生活や街の風景が変わる中で、鐘の音は変わらない唯一の文化遺産です。
「お寺の鐘しらべ」では、梵鐘にまつわる文化や歴史を通して、鐘の魅力を発信しています。朝活やお仕事後のひとときに楽しめるプチ旅行の参考としてもご活用いただけます。
一緒に梵鐘を巡る旅に出かけましょう!