奈良・當麻寺:古代の聖地に伝わる現存最古の梵鐘(国宝)

邪馬台国の有力候補地とされる古代奈良盆地。朝日が昇る三輪山と日が沈む二上山は特別な聖地として崇められ、地域は大いに栄えていました。二上山の東麓には修験道の開祖とされる役行者(えんのぎょうじゃ)の私領があり、彼が修行した最初の地が當麻です。役行者が寄進した場所にできたお寺が當麻寺となりました。天武天皇10年(白鳳9年・681)の出来事と考えられています。

国宝の曼荼羅堂

中将姫伝説が生んだバスクリン文化

浴剤「中将湯」の新聞広告

また、ツムラ製薬の創業者である津村重舎は、母の実家・藤村家が中将姫から教わった漢方の知識をもとに婦人良薬中将湯本舗を立ち上げました。明治23年には入浴剤「中将湯」を発売。夏には効果が強すぎるという課題がありましたが、製造過程で生じる副産物が程良い効果を持つことが分かり、「バスクリン」として改良。戦後の高度経済成長期に家庭用入浴剤として広まり、現在も多くの家庭で親しまれています。

梵鐘しらべ

時間毎月1日、14日、15日(7時30分真言宗、8時浄土宗)
打数
前捨て鐘
実質
後捨て鐘

梵鐘ものがたり

現存最古の国宝梵鐘は鐘楼の中

日本最古級の梵鐘と二宗共存の寺

當麻寺の東門を入った正面の鐘楼には、無銘の古代梵鐘が納められています。この鐘はお寺が創建された当時から使われているものと推定されています。この梵鐘は龍頭や撞座の形状から日本最古の鐘の一つとされ、国宝に指定されています。また、當麻寺は真言宗と浄土宗が共存する珍しい寺で、東西に並ぶ古代三重塔が現存する唯一の寺としても知られています。毎月1日、14日、15日には中将姫伝説にちなみ、7時30分に真言宗、8時に浄土宗で打鐘が行われます。

当麻曼荼羅図(東京国立博物館 A-12440)

アクセス

住所

奈良県葛城市當麻1263

ホームページ

http://www.taimadera.or.jp/

お寺の鐘しらべ管理人

  • 東京在住のサラリーマン
  • 梵鐘の愛好家
  • 出張先や夜時間に梵活中

皆さんお寺で鐘を鳴らした経験があると思います。お寺の鐘、梵鐘(ぼんしょう)はとても身近な文化です。それぞれの寺や地域の歴史を反映し、豊富なバリエーションが存在します。

しかし最近では騒音問題や人手不足により、その文化は急速に失われつつあります。日々の生活や街の風景が変わる中で、鐘の音は変わらない唯一の文化遺産です。

「お寺の鐘しらべ」では、梵鐘にまつわる文化や歴史を通して、鐘の魅力を発信しています。朝活やお仕事後のひとときに楽しめるプチ旅行の参考としてもご活用いただけます。

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