![](https://templebell.net/wp-content/uploads/2024/05/aIMG_77660.jpg)
200年前に建てられた区内で唯一の楼門(ろうもん)建築
九品仏・浄真寺:世田谷のパワースポットと江戸の鐘(都指定文化財)
東急大井町線の九品仏駅から徒歩5分程度の距離に位置する九品仏は、閑静な住宅街にひっそりと佇んでいます。このお寺は、九つの阿弥陀如来像が祀られていることからその名が付けられました。正式名称は浄真寺(じょうしんじ)といいます。今回は世田谷のパワースポット、九品仏・浄真寺に伝わる貴重な江戸時代の梵鐘をお伝えします。
![](https://templebell.net/wp-content/uploads/2024/05/aIMG_07770.jpg)
400年前に建てられた中品堂の三仏
世田谷区の隠れたパワースポット
お寺と同じ名前の九品仏駅を出ると、目の前に趣きある参道の入り口が広がります。約3分ほど参道を進むと、お寺の総門に到着します。お寺の境内は江戸時代初期に創建された当時の姿をそのまま現代に伝えています。あまり目立たないお寺ですが、江戸の面影を残す3万6千坪の境内は都内有数の規模を誇ります。
![](https://templebell.net/wp-content/uploads/2024/05/aIMG_77770.jpg)
3年毎に開催されるお祭りの準備中
スピリチュアルな九体の阿弥陀仏
![](https://templebell.net/wp-content/uploads/2024/05/aIMG_3761.jpg)
九体仏が安置されている京都の浄瑠璃寺
本堂の向かいにある3つのお堂には、九体の阿弥陀如来像がそれぞれ3体ずつ配置されています。この配置は、京都・浄瑠璃寺と酷似していて、仏像の大きさもほぼ同じサイズです。浄瑠璃寺がある南山城エリアは1000年以上の歴史を持つ仏教信仰の聖地です。九品仏のスピリチュアルな境内の雰囲気は南山城のお寺を彷彿とさせます。浄瑠璃寺のパンフレットにも、九品仏の九体が紹介されています。阿弥陀仏が真東を向いて配置されているのも共通した特徴で何か特別な結びつきが感じられます。
梵鐘しらべ
時間 | 16時 |
打数 | 9打 |
前捨て鐘 | 3打 |
実質 | 4打 |
後捨て鐘 | 2打 |
行列が途絶えないパン屋さんコムン・トウキョウ
![](https://templebell.net/wp-content/uploads/2024/05/aIMG_7276.jpg)
九品仏のお寺の門前に位置するパン屋、コ・ムンTOKYOは、一日中行列が途絶えることのない人気店です。この店でパンを焼いている大澤さんは、日本人として初めてパンの世界大会で総合優勝したレジェンドとして知られています。
このお店の唯一のこだわり。それはひとつひとつのパンを、真面目につくり続けること。興味深いことに、特別な材料や機材を使用していないそうです。その姿勢が、お客から絶大な支持を集め、常に賑わいを見せる要因となっているのでしょう。Comme'N TOKYO | コム・ン トウキョウ (commen.jp)
梵鐘ものがたり
![](https://templebell.net/wp-content/uploads/2024/05/aIMG_7280-scaled.jpg)
300年前に建てられた吹き放し屋根の鐘楼
東京では極めて珍しい京都風の梵鐘
![](https://templebell.net/wp-content/uploads/2024/05/aIMG_72840.jpg)
京都で流行した朝鮮鍾のスタイル
境内山門の左手には、見事な彫刻が施された鐘楼があります。精巧な彫刻で装飾された鐘楼は、関東では珍しい吹き放し屋根で300年以上の歴史的建築物です。梵鐘には唐草文様や坐像、天人などが描かれており、京都で流行した朝鮮鍾のスタイルが見て取れます。
この朝鮮鍾スタイルは戦争の影響で殆どが失われました。しかし、この梵鐘は金属供出を免れた貴重な遺物の一つです。その理由は、梵鐘の撞座が菊の花びら模様になっているため、皇室と関連付けられたものと見なされた可能性があります。
自由が丘駅はもともと九品仏駅だった
![](https://templebell.net/wp-content/uploads/2024/05/jiyugaokast074.jpg)
自由が丘と九品仏はお隣同士
大井町線が開業した当初、九品仏駅の位置は今の場所ではなく、自由が丘駅の位置にありました。この事実は、お寺の九品仏のエリアがかつてそのくらい広かったことを示しています。その後、2年後に新たに九品仏駅が現在の位置に作られ、それまでの九品仏駅は自由が丘駅に改称されました。
アクセス
住所
東京都世田谷区奥沢7丁目41−3
皆さんお寺で鐘を鳴らした経験があると思います。お寺の鐘、梵鐘(ぼんしょう)はとても身近な文化です。それぞれの寺や地域の歴史を反映し、豊富なバリエーションが存在します。
しかし最近では騒音問題や人手不足により、その文化は急速に失われつつあります。日々の生活や街の風景が変わる中で、鐘の音は変わらない唯一の文化遺産です。
「お寺の鐘しらべ」では、梵鐘にまつわる文化や歴史を通して、鐘の魅力を発信しています。朝活やお仕事後のひとときに楽しめるプチ旅行の参考としてもご活用いただけます。
一緒に梵鐘を巡る旅に出かけましょう!