京都・建仁寺:祇園にたたずむ京都最古の禅寺

建仁寺は、鎌倉幕府の二代将軍・源頼家によって創建された京都で最も古い禅寺です。格式高そうな飲食店が並ぶ花見小路通りに面していて、忠臣蔵で有名な一力茶屋なんかも近くにあって京都の風情が最も感じられる人気スポットです。

さらに、建仁寺は地元の生活とも密接に結びついています。お寺の敷地内は地元の人々の通勤や通学の通り道として利用され、夜はお仕事帰りの舞妓さんの姿が見られることがあります。このように、建仁寺は昔から今に至るまで、人々の生活と共存しているお寺といえます。

梵鐘しらべ

時間毎月1日、15日の朝7時
打数
前捨て鐘
実質
後捨て鐘

禅の世界観を表す『〇△□乃庭』

禅寺に枯山水庭園が多い理由は、禅の思想や修行の在り方と深く結びついているからと言われています。

枯山水庭園は、石や砂を使って水の流れや山の景色を表現します。これは「無常」や「空」といった禅の根本的な教えを象徴していて、形のないものを感じ取ることが修行の一環という考えなのだそうです。

建仁寺にはいくつかの枯山水庭園があります。その中に『〇△□乃庭』という読み方すら分からない不思議な空間が存在します。〇△□を全て探してみましょう。

梵鐘ものがたり

1日と15日に使われる陀羅尼の鐘

800年続く深夜の鐘

建仁寺には三つの梵鐘があります。ひとつは陀羅尼の鐘と言われるもので本坊の前の鐘楼にあります。もともと河原院にあったものがこちらに移設されたと考えられています。毎月1日と15日の法要に合わせて朝7時に打鐘されます。ふたつめは陀羅尼の鐘の目の前の鐘楼に吊り下げられています。こちらはいつ打鍾されるのか不明です。

もう一つ、開山堂に非公開の梵鐘があります。この鐘は毎年6月4日の午前2時に打鐘されます。この打鐘は、東福寺の鐘(午後11時45分)と連動して行われていて、長い歴史の中で受け継がれてきた儀式の一部です。

鎌倉時代、建仁寺の住職であった国一聖師は、東福寺の住職も兼務していました。深夜になると、住職は東福寺を出発して建仁寺に向かっていました。この出発を知らせるため、東福寺では深夜23時45分に鐘を撞く習慣が現在も続いています。一方、建仁寺では住職の到着を知らせる合図として、毎年6月4日の深夜2時に梵鐘を撞く伝統が残されています。

建仁寺が所有する風神雷神図屛風(国宝)

アクセス

住所

京都府京都市東山区大和大路通四条下る小松町584番地

お寺の鐘しらべ管理人

  • 東京在住のサラリーマン
  • 梵鐘の愛好家
  • 出張先や夜時間に梵活中

皆さんお寺で鐘を鳴らした経験があると思います。お寺の鐘、梵鐘(ぼんしょう)はとても身近な文化です。それぞれの寺や地域の歴史を反映し、豊富なバリエーションが存在します。

しかし最近では騒音問題や人手不足により、その文化は急速に失われつつあります。日々の生活や街の風景が変わる中で、鐘の音は変わらない唯一の文化遺産です。

「お寺の鐘しらべ」では、梵鐘にまつわる文化や歴史を通して、鐘の魅力を発信しています。朝活やお仕事後のひとときに楽しめるプチ旅行の参考としてもご活用いただけます。

一緒に梵鐘を巡る旅に出かけましょう!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です