神奈川
鎌倉・杉本寺:川端康成が耳を澄ませた鐘の響き

杉本寺は、鎌倉で最も古い歴史をもつお寺です。鎌倉駅から金沢八景方面行きのバスに乗り、金沢街道沿いの大蔵山中腹に位置しています。この地・二階堂は、かつて川端康成や平山郁夫といった文化人が暮らしたことでも知られています。

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東京
東京・烏山寺町:喜多川歌麿が眠る小京都

この寺町が形成されたのは、今からおよそ100年前。きっかけは、大正12年(1923年)の関東大震災でした。震災後の都市計画により、都内の寺院のいくつかが、広い土地を求めて郊外への移転を余儀なくされました。同様の寺町は、上高田(中野区)、梅里・松の木・高円寺(いずれも杉並区)などにも見られます。東京都が移転先をあっせんし、烏山寺町もその流れで誕生しました。

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京都
京都・光明寺:蔦重が走る大河ドラマのロケ地

2025年放映中の大河ドラマ『べらぼう 蔦重栄華乃夢噺』のロケ地としても注目を集めています。第1話で物議を醸した、死んだ女郎が棄てられるシーンは、この光明寺で撮影されました。横浜流星さんと小芝風花さんの心の支えだった朝顔姉さんの死がドラマの重要な転機となります。

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奈良
奈良・法隆寺東院:お正月を告げる中宮寺の鐘(重要文化財)

お正月の法隆寺で東院の梵鐘を取材しました。法隆寺は広大で、東院(とういん)と西院(さいいん)に分かれています。世界最古の木造建築物群として有名な西院には奈良時代の梵鐘が伝わっています。一方、東院にも同じく奈良時代のものと思われる日本最古級の梵鐘があり、これはお正月三が日のみ撞かれる貴重な鐘です。

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京都
京都・六角堂:聖徳太子ゆかりの地といけばな発祥の寺

六角堂には「池」があったことから、お寺の住職は「池坊(いけのぼう)」と呼ばれるようになりました。そして、池坊家はいけばな(華道)の発祥の地とされ、代々、六角堂の住職を務めながら家元を継承しています。今日でも池坊は華道の中心として広く知られています。

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京都
京都・南禅寺:五右衛門伝説と近代遺産が彩る禅の古刹

見どころの多い南禅寺ですが、特に三門と石川五右衛門のエピソードが思い浮かぶ方は多いのではないでしょうか。歌舞伎『楼門五三桐』という演目で、石川五右衛門が「絶景かな、絶景かな」と称えた場面が描かれています。しかし、五右衛門が生きていた時代は三門が消失していた時期にあたるためこのエピソードは創作とされています。いずれにしても、拝観料を支払えば三門の上に登って五右衛門の気分に浸ることができます。

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岐阜
岐阜・神禅院:関ヶ原に伝わる奈良時代の鐘(重要文化財)

神禅院は、JR東海道線・垂井駅から約2キロ、伊吹山のふもとの田園地帯に位置する静かな寺院です。東海道新幹線の車窓からも見ることができ、海側のA席に座れば、岐阜羽島駅を過ぎて間もなく、関ヶ原手前の田園風景の中に南宮大社の大鳥居と神禅院の三重塔が一瞬姿を現します。

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