奈良
奈良・松尾寺:ビイロク文字が迎える日本最古の厄除け寺

境内に足を踏み入れるとまず目に飛び込んでくるのが、独特な文体の案内板や“お言葉”の数々。これは「ビイロク」が書いたもので、松尾寺の名物にもなっています。「ビイロク」という名は、未来仏・弥勒(みろく)に由来しており、宗教的な敬意とユーモアが同居する、不思議な魅力のある山寺です。

続きを読む
滋賀
滋賀・龍王寺:白蛇の物語と雨乞いの鐘(重要文化財)

地元の伝承によれば、干ばつに見舞われた年には、実際にこの鐘に向けて雨乞いの祈願が行われてきたそうです。鐘の頂部にある龍頭(りゅうず)は、いまも白い布で覆われています。「この布を取ると大雨が降る」という言い伝えがあり、毎年の雨乞いの儀式のときにだけ、そっと布が外されるのだといいます。

続きを読む
奈良
奈良・長岳寺:古代の面影がのこる山辺の道と平和の鐘

創建は平安時代初期、弘仁13年(822年)と伝わる長岳寺。戦乱や火災により多くの堂宇や仏像が焼失する中、現存する鐘楼門は平安時代に建立されたもので、鐘楼門としては日本最古のものとされます。現在はこの鐘楼門に鐘はありませんが、代わりに参詣者を迎えてくれるのが、境内の池のほとりにある「平和の鐘」。昭和41年(1966年)に鋳造されたもので、誰でも自由に撞くことができます。

続きを読む
東京
東京・高尾山:天狗の霊山に響く鐘の音

修験の聖地にふさわしく、薬王院の大本堂の近くには荘厳な鐘楼があります。現在の鐘楼は昭和49年(1974年)に建てられた比較的新しいものですが、その脇にはもうひとつ、今は使われていない古い梵鐘が置かれています。この梵鐘は、江戸時代初期の寛永年間(1631年頃)に鋳造された由緒ある鐘です。

続きを読む
神奈川
神奈川・大山寺:雨降り伝説が息づく霊山に響く鐘

神奈川県伊勢原市の大山(標高1252メートル)は、古くから雨乞いの霊験あらたかな山として「雨降山(あふりやま)」とも呼ばれ、農民たちの山岳信仰の対象とされてきました。江戸時代には「大山詣」が物見遊山を兼ねた集団参拝として流行し、春日局も徳川家光の名代として二度この地を訪れています。この参詣路として整備された「大山道」は、現在の青山通りや国道246号線の前身にあたります。

続きを読む
東京
東京・池上本門寺:信念を貫く音と闘魂の系譜(区指定文化財)

東京都大田区にある池上本門寺(いけがみ・ほんもんじ)は、日蓮宗の大本山として知られる由緒ある寺院です。東急池上線・池上駅から徒歩約10分。参道にはくず餅屋や古風な商店が並び、どこか懐かしい風景が広がります。

続きを読む
奈良
奈良・岡寺:飛鳥の岡に響く供出戻りの鐘

今回は、奈良県明日香村の東、岡山の中腹に佇む岡寺(おかでら)の梵鐘を紹介します。その名はシンプルに「飛鳥の岡にある寺」に由来していて、古くから親しみをこめて「岡寺」と呼ばれてきました。正式には「龍蓋寺(りゅうがいじ)」として、創建から1300年の歴史を誇る古刹です。

続きを読む