京都・平等院:平安時代に現れた梵鐘美術の最高傑作(国宝)

平等院(びょうどういん)は、藤原氏が最も勢力を誇った平安時代中期1052年に創建されました。京都府宇治市宇治蓮華にある寺院で、藤原道長の別荘を息子の藤原頼通がお寺に改修しました。平等院には平安貴族の華やかな建造物や文化財が受け継がれていて、1994年(平成6年)にはユネスコの世界遺産「古都京都の文化財」の一部として登録されました。

宇治は源氏物語の最終章が描かれた舞台

お金のデザインに使われた身近な仏教建築

平等院で最も特徴的なのは鳳凰堂です。境内の池の中島に建てられたこの建物は、寺院というよりも宮殿のような華やかさを持ち、入場するための行列がいつもできています。建物が翼を広げた鳥のように見えること、そして屋根に鳳凰が取り付けられていることから「鳳凰堂」と呼ばれています。鳳凰堂の建物は10円玉オモテ面のデザインとして、屋根の鳳凰は10000円札に描かれています。

梵鐘しらべ

時間大晦日のみ
打数
前捨て鐘
実質
後捨て鐘

リージョナル ランドマークストア

平等院のある宇治地域はお茶の産地としても有名で、宇治駅から平等院へと続く参道には多くの日本茶の店が立ち並んでいます。そんな京都らしい和風の街並みに溶け込んだスターバックスが 「京都宇治平等院表参道店」です。この店はリージョナルランドマークストアとして、平等院の紅葉を借景にした枯山水の中庭が楽しめる特別な店舗で、京都宇治のお茶文化を世界に発信する役割を担っています。

梵鐘ものがたり

平等院・南門を入ってすぐのところに国宝の梵鐘があります。この鐘には銘文が刻まれていないため、製作時期には諸説があります。平安時代中期の200年間、梵鐘の製作が途絶えていた時期に唯一例外的に作られたという説が有力です。なぜ200年間も梵鐘が作られなかったのか、製作技術をどのように継承したのか、謎に包まれています。空白期間中は梵鐘だけでなく仏像、銅銭、鏡など青銅製品がほとんど作られなくなり、12世紀になると生産が復活します。

この梵鐘は、その美しい装飾が評価され、工芸品としての価値も高いものです。鐘の表面には、空を舞う天人、唐獅子、霊鳥などの華やかな文様が刻まれており、芸術性に富んだこの梵鐘は非常に珍しいものです。日本三名梵鐘のひとつとして、「音の三井寺、銘の神護寺、姿の平等院」と称されています。

アクセス

住所

京都府宇治市宇治蓮華116

ホームページ

https://www.byodoin.or.jp

お寺の鐘しらべ管理人

  • 東京在住のサラリーマン
  • 梵鐘の愛好家
  • 出張先や夜時間に梵活中

皆さんお寺で鐘を鳴らした経験があると思います。お寺の鐘、梵鐘(ぼんしょう)はとても身近な文化です。それぞれの寺や地域の歴史を反映し、豊富なバリエーションが存在します。

しかし最近では騒音問題や人手不足により、その文化は急速に失われつつあります。日々の生活や街の風景が変わる中で、鐘の音は変わらない唯一の文化遺産です。

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