奈良・王龍寺:街中の隠れた癒しパワースポット

王龍寺へは近鉄奈良線の富雄駅からバスまたはタクシーを利用します。住宅街を抜けると、思いがけない場所に立つ山門が目に入ります。その山門をくぐると、周辺とは異なる世界がいきなり広がります。

梵鐘しらべ

時間不定期(除夜の鐘、災害鎮魂など)
打数
前捨て鐘
実質
後捨て鐘

お堂に収められた天然の摩崖仏

十一面観音の天然摩崖仏

王龍寺の本尊、十一面観音菩薩は天然の岩肌を彫刻した摩崖仏です。奈良には多くの磨崖仏が残されています。一般的な摩崖仏は屋外にあるので雨風にさらされて損傷していきます。しかし王龍寺の磨崖仏は堂内に祀られていて、その保存状態が良好です。銘もしっかり残っていて、700年前の建武三年に彫刻されたものであることが明確にわかります。

黄檗宗の寺宝がたくさん

本堂には磨崖仏の十一面観音菩薩以外にも、江戸時代から伝わる十八羅漢像など、数々の貴重な文化財が収蔵されています。通常は施錠されていますが、お寺の方に声をかければ中に入って見学することができます。

梵鐘ものがたり

参道は魅力的な隠れスポット

渓流沿いの自然豊かな参道はこのお寺のもう一つの推しポイントです。この癒しの散歩道を目当てに訪れる人もいる、知られざる隠れスポットです。途中の滝を目印に側道を行くと、趣のある袴腰を備えた二階建ての鐘楼が現れます。許可を得て二階に登らせていただきました。

国内二例目の新発見か?

梵鐘には銘がなく製造の経緯が不明ですが、楠木正成に由来するという伝説が残っています。ご本尊の十一面観音には「建武三年」と刻まれていて、楠木正成が活躍した時代と重なります。もしかしたら関連があるかもしれません。この梵鐘にはもうひとつ気になることがあります。通常の梵鐘は撞座がオモテとウラの両面にあしらわれることが多いですが、王龍寺の撞座はオモテしかないのも興味深い特徴です。撞座がひとつしかない梵鐘は神奈川県の星谷寺が唯一と言われていますが、もしかしたらこの梵鐘はしられざる二例目の貴重なものかもしれません。

楠木正成図(東京国立博物館 A-1418)

王龍寺は、歴史と自然が融合した神秘的な場所で、街中の喧騒から隔離された穏やかな空間に浸れるパワースポットです。

アクセス

住所

奈良県奈良市二名6丁目1492

ホームページ

https://www.oryuji.com

佐野 洋一 | #travellife #travel #beautifulworld#traveljapan #traveling #tripjapan #王龍寺 | Instagram

7 likes, 0 comments - yoichi.sano.3304 on October 29, 2023: "#travellife #travel #beautifulworld#traveljapan #traveling #tripjapan #王龍&#x5bf…

お寺の鐘しらべ管理人

  • 東京在住のサラリーマン
  • 梵鐘の愛好家
  • 出張先や夜時間に梵活中

皆さんお寺で鐘を鳴らした経験があると思います。お寺の鐘、梵鐘(ぼんしょう)はとても身近な文化です。それぞれの寺や地域の歴史を反映し、豊富なバリエーションが存在します。

しかし最近では騒音問題や人手不足により、その文化は急速に失われつつあります。日々の生活や街の風景が変わる中で、鐘の音は変わらない唯一の文化遺産です。

「お寺の鐘しらべ」では、梵鐘にまつわる文化や歴史を通して、鐘の魅力を発信しています。朝活やお仕事後のひとときに楽しめるプチ旅行の参考としてもご活用いただけます。

一緒に梵鐘を巡る旅に出かけましょう!

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