高野山・金剛峯寺(1):高野四郎と呼ばれる聖地の大鐘

高野山は、東京に住む私たちには遠い憧れの地です。大阪から南海線で麓の極楽橋駅まで向かい、そこからケーブルカーに乗り換え、最後はバスでお寺へと進みます。賑やかな大阪の街を出発し、南海線に揺られながらうとうとしていると、終点が近づく頃には、列車の車窓いっぱいに樹齢数百年の木々が広がり、異世界へ誘われるような光景が目の前に現れます。ここはすでに高野山内ですが金剛峯寺はまだ遠く、その広大さを実感します。山に踏み入れた瞬間から、聖地のスピリチュアルな雰囲気と、憧れの地に近づいたという期待感が入り混じり、不思議な静けさが訪れます。

空海が修行を続ける究極の聖地

高野山は、平安時代初期に空海が標高1,000メートルの山上に開いた修行の地です。承和2年(835年)3月21日、空海は62歳で永遠の瞑想に入り、今も奥之院で生きて瞑想を続けていると信じられています。空海への食事を運ぶ儀式「生身供(しょうじんぐ)」は、入定の日から現在まで1,200年間、一日も欠かさず続けられてきました。現在の高野山は、100を超える寺院と1,000人以上の僧侶が修行する山岳宗教都市へと発展しています。

梵鐘しらべ

時間4時、13時、17時、21時、23時
打数
前捨て鐘
実質
後捨て鐘

角浜ごまとうふ総本舗 ― 空海と僧侶を支える味

高野山の1,200年以上の歴史の中で、僧侶を支えてきた精進料理。その中で、ごまとうふは欠かせない一品です。角浜ごまとうふ総本舗の「生ごまとうふ」は、賞味期限が当日限りという新鮮なもの。私たちが東京で食べているごまとうふとは比べ物にならない美味しさです。

空海への食事を供える儀式「生身供(しょうじんぐ)」でも供されるほどの特別な逸品です。日持ちするタイプも販売されてるので、お土産にも最適な高野山の名物です。

角濱ごまとうふ総本舗|和歌山県伊都郡高野町のごまとうふ専門店

梵鐘ものがたり

日本で四番目に大きな「高野四郎」

高野山には、信仰と歴史を物語る二つの梵鐘があります。壇上伽藍の大塔に掛かる鐘は、諸堂が整備された平安時代初期の850年頃に作られたと伝わります。その後の火災で何度も改鋳され「永正十八年 大塔鐘楼、鐘三分一湯成消」との記録が残ります。焼け残った三分の一を手本に、平安初期の姿を忠実に再現したものが現在の鐘です。天文16年(1547年)に完成し、直径2.12メートル、重さ34トンを誇ります。その巨大さから、かつては「高野二郎」とも呼ばれましたが、現在では高野山のお坊さんを中心に「高野四郎」と呼ばれ親しまれています。

アクセス

住所

和歌山県伊都郡高野町高野山132

ホームページ

https://www.koyasan.or.jp/

お寺の鐘しらべ管理人

  • 東京在住のサラリーマン
  • 梵鐘の愛好家
  • 出張先や夜時間に梵活中

皆さんお寺で鐘を鳴らした経験があると思います。お寺の鐘、梵鐘(ぼんしょう)はとても身近な文化です。それぞれの寺や地域の歴史を反映し、豊富なバリエーションが存在します。

しかし最近では騒音問題や人手不足により、その文化は急速に失われつつあります。日々の生活や街の風景が変わる中で、鐘の音は変わらない唯一の文化遺産です。

「お寺の鐘しらべ」では、梵鐘にまつわる文化や歴史を通して、鐘の魅力を発信しています。朝活やお仕事後のひとときに楽しめるプチ旅行の参考としてもご活用いただけます。

一緒に梵鐘を巡る旅に出かけましょう!

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