岐阜・神禅院:関ヶ原に伝わる奈良時代の鐘(重要文化財)

神禅院は、JR東海道線・垂井駅から約2キロ、伊吹山のふもとの田園地帯に位置する静かな寺院です。東海道新幹線の車窓からも見ることができ、海側のA席に座れば、岐阜羽島駅を過ぎて間もなく、関ヶ原手前の田園風景の中に南宮大社の大鳥居と神禅院の三重塔が一瞬姿を現します。

神禅院には垂井駅からタクシーを利用する方法もありますが、天気の良い日は田園地帯を散策しながら向かうのもおすすめです。新幹線から見えた大鳥居をくぐり、南宮大社を過ぎてゆるやかな坂を登ると、高台に美しい三重塔が見えてきます。そこからは伊吹山や関ヶ原の古戦場も望め、静かで魅力的な観光コースとなっています。

関ヶ原の戦いで焼失したお堂の再建

神禅院の創建については明確な記録が残っていませんが、奈良時代・聖武天皇の時代に建立されたお堂を起源とする説があります。約1300年の歴史を持つ古刹ですが、関ヶ原の戦いで焼失しました。その後、この地の一族出身である春日局の働きかけにより、徳川家光の支援を受けてお堂が再建されました。そのため、堂内には徳川家の家紋が残されています。

お堂には徳川家の家紋が見られます

梵鐘しらべ

時間除夜の鐘のみ
打数
前捨て鐘
実質
後捨て鐘

梵鐘ものがたり

鐘の表面には損傷が見られます

奈良時代から伝わる伝統の鐘

神禅院の梵鐘は、寺に残る最も古い遺物で、奈良時代に作られたものと考えられています。日本に現存する梵鐘の中でも特に古いものの一つで、撞座(鐘を撞く部分)に破損が見られます。国の重要文化財に指定され、大切に保護されています。今なお現役の鐘として地元の人々に親しまれており、大晦日には除夜の鐘を撞くために多くの人々が集まり、厳かな音色が響き渡ります。

お寺からは関ヶ原を見渡す景色が広がります

アクセス

住所

岐阜県不破郡垂井町宮代2006

お寺の鐘しらべ管理人

  • 東京在住のサラリーマン
  • 梵鐘の愛好家
  • 出張先や夜時間に梵活中

皆さんお寺で鐘を鳴らした経験があると思います。お寺の鐘、梵鐘(ぼんしょう)はとても身近な文化です。それぞれの寺や地域の歴史を反映し、豊富なバリエーションが存在します。

しかし最近では騒音問題や人手不足により、その文化は急速に失われつつあります。日々の生活や街の風景が変わる中で、鐘の音は変わらない唯一の文化遺産です。

「お寺の鐘しらべ」では、梵鐘にまつわる文化や歴史を通して、鐘の魅力を発信しています。朝活やお仕事後のひとときに楽しめるプチ旅行の参考としてもご活用いただけます。

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