柴又・帝釈天:寅さんが歩いた下町の風景と彫刻の寺

帝釈天は、柴又駅から徒歩5分ほどの場所にあります。このエリアは、映画「男はつらいよ」の舞台として知られていて、駅を出ると映画の世界が目の前に広がります。門前町には、名物の草団子や土産物、お寺の彫刻を扱う老舗の商店が立ち並んでいて、帝釈天を中心にした下町の賑わいがあります。江戸情緒あふれる街並みは多くの人々を魅了し、国の重要文化的景観に選定されています。

江戸情緒あふれる帝釈天の門前町

映画「男はつらいよ」に登場する梵鐘の響き

映画のオープニングを飾るフレーズ「私 生まれも育ちも 葛飾柴又です。 帝釈天で産湯をつかい、 姓は車、 名は寅次郎、 人呼んでフーテンの寅と発します。」寅さんの実家は門前町の草団子屋という設定で、この界隈の人たちにとって帝釈天がとても身近なことが読み取れます。今回紹介する梵鐘も映画にたびたび登場していました。この梵鐘は、毎日朝6時、昼12時、夕方18時の1日3回鳴らされます。お寺の境内には立派な大鐘楼があり、境内から見上げるようにして鐘が鳴るところを見ることができます。

左から二王門、大鐘楼、寅さんの産湯「御神水」

梵鐘しらべ

時間6時 12時 18時
打数6打 12打 6打
前捨て鐘
実質6打 12打 6打
後捨て鐘

ランチにホワイト餃子・亀有店

ここから少し離れますが、知られざるローカルグルメはいかがでしょうか。

ホワイト餃子は丸っこい俵形をした独特の餃子で、まるで揚げパンのよう。ほおばると、皮はサックリ、中の餡(あん)からは白菜やキャベツなど野菜の優しい甘みがじわりと広がります。

ホワイト餃子 亀有店 - ホワイト餃子グループ (white-gyouza.co.jp)

亀有駅前では「こちら葛飾区亀有公園前派出所」のキャラクター銅像に出会うこともできます。

梵鐘ものがたり

お堂の彫刻は見学用の通路が設置されている

帝釈天は別名「彫刻のお寺」

早朝から開店準備に忙しい園田さん

帝釈天はまた、素晴らしい木の彫刻でも知られています。朝6時の鐘に合わせて早朝にお寺を訪れると、1件だけ開店の準備をしているお店がありました。園田神仏具店は、歴史ある門前町の中で最もお寺に近い場所にあるお店です。本業は彫刻師で、帝釈天の境内にある彫刻類を三代にわたり作り続けています。特に有名なのが、二天門と帝釈堂の彫刻です。帝釈堂の彫刻は保護のためにガラスで覆われ、有料ですがギャラリーとして見学できるようになっています。入場チケットは庭園見学とセットになっています。庭園は外周に廻廊があり、景色を楽しみながら散策できます。

有名彫刻師による手彫りのお土産品

木彫りの身代わり地蔵700円

門前町の園田木彫店では、柘植の木から彫刻された身代わり地蔵が人気です。彫刻したご主人から、その身代わり地蔵にまつわるエピソードを聞かせていただきました。新聞にも取り上げられた話では、ある大事故で車が大破した際、運転手を含む乗員全員が無事だったという逸話があります。その際、運転手の懐から身代わり地蔵が割れた姿が見つかり、人々はそれが身代わりとなったのではないかということです。身代わり地蔵は700円です。是非、訪れた際には帝釈天の彫刻と同じ作者による身代わり地蔵をお土産にいかがでしょうか。

アクセス

動物園や博物館がある広大な上野公園の中にあるように見えますが、実際は逆で、寛永寺境内の跡地に上野公園が整備されました。

住所

東京都葛飾区柴又7丁目10−3

お寺の鐘しらべ管理人

  • 東京在住のサラリーマン
  • 梵鐘の愛好家
  • 出張先や夜時間に梵活中

皆さんお寺で鐘を鳴らした経験があると思います。お寺の鐘、梵鐘(ぼんしょう)はとても身近な文化です。それぞれの寺や地域の歴史を反映し、豊富なバリエーションが存在します。

しかし最近では騒音問題や人手不足により、その文化は急速に失われつつあります。日々の生活や街の風景が変わる中で、鐘の音は変わらない唯一の文化遺産です。

「お寺の鐘しらべ」では、梵鐘にまつわる文化や歴史を通して、鐘の魅力を発信しています。朝活やお仕事後のひとときに楽しめるプチ旅行の参考としてもご活用いただけます。

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