名古屋・本願寺東別院:300年前の鐘と名古屋城の宝探し

今回訪れたお寺は、京都市の東本願寺を本山とする真宗大谷派の別院で、正式名称は真宗大谷派名古屋別院といいます。最寄りの駅は名古屋市営地下鉄名城線の「東別院」です。

名古屋城の残石を探してみる

名古屋城に使うために集めた石

1690年(元禄3年)、尾張藩主の徳川光友が古渡城跡の約1万坪を寄進し、1702年(元禄15年)に名古屋別院がこの地に創建されました。古渡城は織田信長の父、信秀が築いたもので名古屋城の築城時にはその跡地に石垣用の石材が一時的に集められたようです。これらの石材には大名の刻印が刻まれているものがあって、お寺の境内や隣接する下茶屋公園では、現在までに29個の石が発見されています。私も宝探し感覚で刻印を探したところ、3個見つけることができました。

梵鐘しらべ

時間毎月 8日 18日 28日 朝9時
打数
前捨て鐘
実質
後捨て鐘

梵鐘ものがたり

1692年(元禄5年)につくられた梵鐘

毎月3回使われる300年前の鐘

梵鐘には1692年(元禄5年)鋳造の銘文が刻まれていて、高さ177.5センチ、口径108.0センチの大きさを誇ります。この梵鐘は名古屋市の指定文化財に指定されています。毎月8日、18日、28日の朝9時には鐘が撞かれ、また法要の30分前にも集会鐘が鳴り響き、訪れる人々に時を知らせています。

名古屋別院はかつては名古屋城天守閣と並ぶ壮大な姿を誇っていたそうです。しかし、1945年(昭和20年)3月の名古屋空襲で、ほとんどが焼失してしまいました。現在の本堂は、尾張の門徒たちが総力を結集し、1962年(昭和37年)に再建されたものです。

尾張国名古屋東本願寺図(早稲田大学図書館 文庫06_00212)

アクセス

住所

愛知県名古屋市中区橘2丁目8−55

ホームページ

https://www.ohigashi.net

お寺の鐘しらべ管理人

  • 東京在住のサラリーマン
  • 梵鐘の愛好家
  • 出張先や夜時間に梵活中

皆さんお寺で鐘を鳴らした経験があると思います。お寺の鐘、梵鐘(ぼんしょう)はとても身近な文化です。それぞれの寺や地域の歴史を反映し、豊富なバリエーションが存在します。

しかし最近では騒音問題や人手不足により、その文化は急速に失われつつあります。日々の生活や街の風景が変わる中で、鐘の音は変わらない唯一の文化遺産です。

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