京都・清水寺:日本一早い朝を告げる鐘(重要文化財)
清水寺は日本有数の観光名所として多くの人々に親しまれています。1994年にはユネスコ世界文化遺産「古都京都の文化財」のひとつとして登録され、修学旅行の定番行き先でもあります。私も中学校の修学旅行で初めて清水寺に行きました。観光地のイメージが強いお寺ですが、平安京以前の奈良時代からこの地に存在する京都で最も古いお寺のひとつでもあります。
鐘が鳴る時間であれば二寧坂もこんな感じです。
枕草子や源氏物語にも登場する由緒あるお寺
清水寺は平安京ができる前から存在し、平安時代の人々にも由緒あるお寺として親しまれてきました。清少納言の『枕草子』や紫式部の『源氏物語』にも登場し、紫式部自身も藤原彰子の病気平癒祈願のために参拝した記録があります。古文書に描かれていることからも、当時から人気のあるお寺であったことがうかがえます。
冬の清水寺は日の出前から拝観できる
梵鐘しらべ
時間 4時51分 | |
打数 10打 | |
前捨て鐘 | |
実質 9打 | |
後捨て鐘 1打 |
伝統とモダンが融合する特別なスタバ
梵鐘ものがたり
清水寺の鐘は京都の街に朝を届けます
日本一早い朝を告げる梵鐘
清水寺の梵鐘は京都で一番早く朝を告げる鐘として知られています。毎朝4時51分から10回打鐘され、門前町に響き渡ります。この鐘は1478年に作られたもので、この時代の鐘としては突出して大きいことでも有名です。奈良時代初期の梵鐘に見られるような古代鍾の特徴を持っているため、清水寺が建てられた頃の梵鐘のデザインを引き継いでいる可能性があります。カラフルな文様があしらわれた鐘楼は、清水寺に現存する建築物の中で最も古いもので、慶長12年(1607年)に建てられ、国の重要文化財に指定されています。
カラフルな鐘楼は国の重要文化財
清水寺の代名詞、檜舞台
清水寺の本堂前に広がる檜舞台からの景色は、古くから多くの人々を魅了してきました。この舞台は特別な法会などの際に観音さまに芸能を奉納するための場所で、地上から約13メートルの高さ(4階建てのビルに相当)に位置しています。現在の舞台は1633年に再建されたもので、舞台を支えている18本の柱には樹齢400年の木材が使用されています。今でも毎日多くの参詣者を迎え続けています。
実際に行われた舞台からの『飛び落ち』
「清水の舞台から飛び降りる」というフレーズは、大きな決断をする際の例えとして使われます。かつては観音さまに願をかけ、舞台から飛び降りる「飛び落ち」という風習がありました。1694年から1864年の171年間に235件が記録され、34人が亡くなっています。「飛び落ち」は病気治癒などを祈願する目的で行われていましたが、危険なため明治5年に禁止されました。現在でもお寺のホームページで、飛び降りたりしないようにと注意喚起されています。
アクセス
住所
京都府京都市東山区清水1丁目294
お寺の鐘しらべ管理人
- 東京在住のサラリーマン
- 梵鐘の愛好家
- 出張先や夜時間に梵活中
皆さんお寺で鐘を鳴らした経験があると思います。お寺の鐘、梵鐘(ぼんしょう)はとても身近な文化です。それぞれの寺や地域の歴史を反映し、豊富なバリエーションが存在します。
しかし最近では騒音問題や人手不足により、その文化は急速に失われつつあります。日々の生活や街の風景が変わる中で、鐘の音は変わらない唯一の文化遺産です。
「お寺の鐘しらべ」では、梵鐘にまつわる文化や歴史を通して、鐘の魅力を発信しています。朝活やお仕事後のひとときに楽しめるプチ旅行の参考としてもご活用いただけます。
一緒に梵鐘を巡る旅に出かけましょう!