奈良・岡寺:飛鳥の岡に響く供出戻りの鐘
今回は、奈良県明日香村の東、岡山の中腹に佇む岡寺(おかでら)の梵鐘を紹介します。その名はシンプルに「飛鳥の岡にある寺」に由来していて、古くから親しみをこめて「岡寺」と呼ばれてきました。正式には「龍蓋寺(りゅうがいじ)」として、創建から1300年の歴史を誇る古刹です。
京都・岩船寺:仏教の聖地・南山城を歩く
この地域に点在する平安・鎌倉期の古刹や、摩崖仏などの石仏信仰の名残は今も往時の面影をとどめています。霊験あらたかな石像群を巡るハイキングコースも人気です。すでに紹介した浄瑠璃寺、笠置寺、そして今後ご紹介予定の海住山寺と並び、この岩船寺も南山城の魅力を語るうえで欠かせない一寺です。
奈良・飛鳥寺:日本最初のお寺に伝わる昭和の名鐘
飛鳥寺は、日本で初めて本格的に建立された仏教寺院です。推古天皇4年(596年)、蘇我馬子が氏寺として建立しました。本堂には日本最古の仏像である飛鳥大仏(銅造釈迦如来坐像)が安置されています。飛鳥大仏は平安時代の仁和3年(887年)と鎌倉時代の建久7年(1196年)に火災で損傷を受けながらも、幾度もの修復を経て、1400年以上にわたって当時の面影を伝え続けています。
京都・和束町:茶畑の里に響く廃寺の鐘
京都府南部、和束町(わづかちょう)は京都最大の茶の産地です。一帯に広がる茶畑は美しい山里の風景をつくり出し、その中でも石寺(いしでら)地区は茶畑と山並みが織りなす風景が評価され、京都府景観資産の第1号に指定されています。今回は宇治茶の歴史とともに育まれてきた石寺集落に伝わる600年前の梵鐘を紹介します。
京都・浄瑠璃寺:仏教の聖地、南山城に伝わる晩鐘
浄瑠璃寺の象徴は、西側の本堂に安置された九体の阿弥陀如来像。これらはすべて平安時代に造られたもので、建物とあわせて国宝に指定されています。同様の形式を伝えるものとしては、江戸時代に造られた東京・九品仏浄真寺の九体阿弥陀像が知られていますが、平安時代のものが完全な形で残るのは浄瑠璃寺だけです。
鎌倉・建長寺:鎌倉大仏の名工が遺した“現役”の洪鐘(国宝)
建長寺は、北鎌倉駅から歩いて15分ほどの場所にあります。このエリアには、建長寺のほかにも円覚寺、浄智寺、東慶寺といった臨済宗の寺院が点在していて、禅の雰囲気が色濃く漂う地域です。この一帯は、もともと源頼朝が北条氏に与えた土地で、北鎌倉にある多くの寺院は北条氏と深いゆかりを持っています。
鎌倉・長谷寺:観音の旅路と梵鐘に刻まれた縁(重要文化財)
鎌倉・長谷寺は、江ノ島電鉄の長谷駅から徒歩5分ほど。周辺には鎌倉大仏や由比ガ浜海岸といった観光名所が集まり、鎌倉でも屈指の人気エリアとして多くの人で賑わいます。







