梵鐘単体の評価
名古屋・万松寺:名物ショーの開幕を告げる梵鐘
大須商店街を歩いていると、特に目を引くのが巨大ビジョンと近代的な設備を備えたハイテクな万松寺です。この寺の歴史は古く、織田信長の父・織田信秀が、織田家の菩提寺として天文9年(1540年)に建立した由緒ある寺院です。かつての寺域は約22,000坪(東京ドーム1.5個分)に及びましたが、大正元年(1912年)に大部分が解放され、大須一帯は名古屋を代表する繁華街へと発展しました。今日では約1,200もの店舗が並び、古着や中古ブランド品、リサイクル家電など、手頃な生活用品が人気を集めています。
梵鐘しらべ
時間 | 10時から20時までの各時 |
打数 | ー |
前捨て鐘 | ー |
実質 | ー |
後捨て鐘 | ー |
梵鐘ものがたり
毎日上演される「信長からくり人形」
万松寺では、「信長からくり人形」が毎日5回上演されています。このショーの始まりを告げるのは、寺の本堂屋上で鳴らされる梵鐘です。梵鐘が終わると、本堂の三階部分の扉が開き、舞台に織田信長が登場します。ショーは二部構成で進行します。
第一部では、このお寺で執り行われた織田信秀の葬儀の場面が描かれます。喪主の信長が質素な服装で登場し、葬儀中に位牌に抹香を投げつけた「抹香事件」が再現されます。実際に起こった出来事ですが、その背後にある信長の意図については謎に包まれています。
第二部では、永禄3年(1560年)の桶狭間の戦いに出陣する前に、信長が清州城で舞ったとされる「敦盛」の一節が再現されます。信長は「人間五十年、下天の内をくらぶれば、夢幻の如くなり」という言葉を好んで引用し、その生涯を象徴するように、49歳で本能寺の変に倒れました。
藤井聡太名人・幻の凱旋試合
万松寺は将棋の対局場としても知られています。これまでに第33期竜王戦(豊島将之 vs 羽生善治)や第76期名人戦(佐藤天彦 vs 羽生善治)など、名だたるビッグタイトル戦が行われてきました。特に、地元愛知県出身の藤井聡太名人の防衛戦となる2024年の第82期名人戦は、万松寺にとって凱旋試合として大きな期待が寄せられていました。
しかし、藤井名人は第5局(5月27日)で勝利し、タイトル防衛を果たしたため、予定されていた万松寺での第6局は実現しませんでした。地元での凱旋試合は幻となりましたが、今後も藤井名人が名人位を保持し続ければ、いつか万松寺での対局が実現するかもしれません。
もうひとつのスペクタクルショー「白竜」
万松寺では、「信長からくり人形」に加えて、もう一つの人気ショー「白竜」も毎日上演されています。これは商店街に面した巨大ビジョンと右手にそびえる白竜像を使ったショーで、クライマックスでは白竜が煙を吐きながら占いを披露します。白竜が持つ赤玉に浮かび上がるメッセージにぜひ注目してみてください。https://youtu.be/xqDkU_oNU3w
アクセス
住所
愛知県名古屋市中区大須3丁目29−12
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お寺の鐘しらべ管理人
- 東京在住のサラリーマン
- 梵鐘の愛好家
- 出張先や夜時間に梵活中
皆さんお寺で鐘を鳴らした経験があると思います。お寺の鐘、梵鐘(ぼんしょう)はとても身近な文化です。それぞれの寺や地域の歴史を反映し、豊富なバリエーションが存在します。
しかし最近では騒音問題や人手不足により、その文化は急速に失われつつあります。日々の生活や街の風景が変わる中で、鐘の音は変わらない唯一の文化遺産です。
「お寺の鐘しらべ」では、梵鐘にまつわる文化や歴史を通して、鐘の魅力を発信しています。朝活やお仕事後のひとときに楽しめるプチ旅行の参考としてもご活用いただけます。
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