世界遺産
奈良・岡寺:飛鳥の岡に響く供出戻りの鐘
今回は、奈良県明日香村の東、岡山の中腹に佇む岡寺(おかでら)の梵鐘を紹介します。その名はシンプルに「飛鳥の岡にある寺」に由来していて、古くから親しみをこめて「岡寺」と呼ばれてきました。正式には「龍蓋寺(りゅうがいじ)」として、創建から1300年の歴史を誇る古刹です。
奈良・飛鳥寺:日本最初のお寺に伝わる昭和の名鐘
飛鳥寺は、日本で初めて本格的に建立された仏教寺院です。推古天皇4年(596年)、蘇我馬子が氏寺として建立しました。本堂には日本最古の仏像である飛鳥大仏(銅造釈迦如来坐像)が安置されています。飛鳥大仏は平安時代の仁和3年(887年)と鎌倉時代の建久7年(1196年)に火災で損傷を受けながらも、幾度もの修復を経て、1400年以上にわたって当時の面影を伝え続けています。
奈良・法隆寺(西円堂):柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺
法隆寺にはいくつかの鐘がありますが、子規が訪れた日(10月24日または10月26日)に鳴っていたのは、西円堂の鐘だけでした。西円堂は、法隆寺境内の最も西に位置する八角堂で、小高い丘の上に建っています。五重塔よりも高い場所にあるため、境内のどこからでも鐘の音を聞くことができます。
高野山・金剛峯寺:福島正則が寄進した万葉仮名の鐘
高野山駅に到着した後は、ケーブルカーとバスを乗り継ぐと、いよいよ金剛峰寺に入ります。まず出迎えるのは、金剛力士像が立つ大門。その先には壇上伽藍、金剛峯寺、奥の院へと続く参道が約2キロにわたり伸び、周囲には117もの寺院が点在します。高野山全体が「一山境内地」と称され、山そのものが一つの大寺院として機能しているのが特徴です。
高野山・金剛峯寺:高野四郎と呼ばれる聖地の大鐘
南海線に揺られながらうとうとしていると、終点が近づく頃には、列車の車窓いっぱいに樹齢数百年の木々が広がり、異世界へ誘われるような光景が目の前に現れます。ここはすでに高野山内ですが金剛峯寺はまだ遠く、その広大さを実感します。山に踏み入れた瞬間から、聖地のスピリチュアルな雰囲気と、憧れの地に近づいたという期待感が入り混じり、不思議な静けさが訪れます。
比叡山・延暦寺:いろんなルートで巡る仏教の最強パワースポット
延暦寺は比叡山に全体に広がる寺院で、ユネスコ世界文化遺産に認定されています。山内の三つのエリア「東塔(とうどう)」「西塔(さいとう)」「横川(よかわ)」に約100の堂塔がそびえています。三つのエリアそれぞれに本堂があって、それぞれが巨大寺院と呼べる存在です。
奈良・金峯山寺:藤原道長が詣でた修験道のパワースポット
金峯山寺は「紀伊山地の霊場と参詣道」の主要構成遺産としてユネスコ世界文化遺産に登録されている寺院です。大峯奥駈道(おおみねおくがけみち)という非常に厳しい修験道はここ金峯山寺を起点にしています。私は東京から京都を経由し、奈良、橿原神宮を通り過ぎて吉野まで3時間以上かけてやってきましたが、これは修験道のスタート地点に到着したに過ぎません。
京都・平等院:平安時代に現れた梵鐘美術の最高傑作(国宝)
平等院(びょうどういん)は、藤原氏が最も勢力を誇った平安時代中期1052年に創建されました。京都府宇治市宇治蓮華にある寺院で、藤原道長の別荘を息子の藤原頼通がお寺に改修しました。平等院には平安貴族の華やかな建造物や文化財が受け継がれていて、1994年(平成6年)にはユネスコの世界遺産「古都京都の文化財」の一部として登録されました。
京都・西本願寺:幻想的な雰囲気ただよう夜明けの梵鐘(重要文化財)
JR京都駅前の西本願寺(にしほんがんじ)は、歴史の授業で習った親鸞(しんらん)というお坊さんが開いた浄土真宗本願寺派の本山です。世界文化遺産「古都京都の文化財」にも登録されている西本願寺は、壮麗な仏教建築物や文化財戦乱の歴史を感じさせる場所でもあります。
京都・東寺:京の始まりと幻想ライトアップ
京都観光のスタートとして、東寺で行われる「生身供(しょうじんく)」に参加してみてはいかがでしょうか?毎朝6時、東寺の御影堂では弘法大師(空海)に朝食を捧げる儀式が行われます。6時前には地元の人々がたくさん集まります。朝の静寂を破る梵鐘の響きとともに開門し、御影堂で祈りを捧げる日常の光景は、仏教の聖地・京都のローカルな魅力を感じさせてくれます。