東京・高尾山:天狗の霊山に響く鐘の音

東京とは思えないほどの豊かな自然に囲まれ、年間を通じて多くの登山客で賑わう高尾山。ミシュラングリーンガイドで最高ランク三つ星を獲得した、日本を代表する観光地のひとつです。最寄りの高尾山口駅を降りると、すでに多くの人々であふれています。そこからケーブルカーに乗って清滝駅から高尾山駅へ。最急勾配はなんと31度18分で、日本一の急勾配を誇る線路です。

樹齢700年の杉並木の先に

ケーブルカーを降りてからは、樹齢700年を超える杉の並木道を歩いて約15分。山の中腹にそびえる高尾山薬王院に到着します。真言宗智山派の名刹である薬王院は、古来より霊山として知られ、修験道の根本道場としても栄えてきました。修行する山伏の姿は高尾山の霊的な雰囲気と融合し、やがて天狗伝説が生まれたと言われています。

梵鐘しらべ

時間毎日朝6時 正午 夕方6時
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実質
後捨て鐘

梵鐘ものがたり

天狗の山に響く霊鐘の音

そんな修験の聖地にふさわしく、薬王院の大本堂の近くには荘厳な鐘楼があります。現在の鐘楼は昭和49年(1974年)に建てられた比較的新しいものですが、その脇にはもうひとつ、今は使われていない古い梵鐘が置かれています。この梵鐘は、江戸時代初期の寛永年間(1631年頃)に鋳造された由緒ある鐘です。

天狗伝説の残る高尾の霊山に澄んだ音色が響き渡ります。現代の登山客にも、霊山の静けさと神聖さを伝える鐘の音。それは山の歴史と、修験の営みを今に伝える響きでもあります。

アクセス

住所

東京都八王子市高尾町2177

お寺の鐘しらべ管理人

  • 東京在住のサラリーマン
  • 梵鐘の愛好家
  • 出張先や夜時間に梵活中

皆さんお寺で鐘を鳴らした経験があると思います。お寺の鐘、梵鐘(ぼんしょう)はとても身近な文化です。それぞれの寺や地域の歴史を反映し、豊富なバリエーションが存在します。

しかし最近では騒音問題や人手不足により、その文化は急速に失われつつあります。日々の生活や街の風景が変わる中で、鐘の音は変わらない唯一の文化遺産です。

「お寺の鐘しらべ」では、梵鐘にまつわる文化や歴史を通して、鐘の魅力を発信しています。朝活やお仕事後のひとときに楽しめるプチ旅行の参考としてもご活用いただけます。

一緒に梵鐘を巡る旅に出かけましょう!

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