文部省宗教局長通知(発宗第百四号)
発宗第104号
昭和十六年十月二十八日
教宗派各管長 殿
教団統理者 殿
文部省宗教局長
件名
寺院・教会等に対する金属類特別回収の実施について
通知本文
金属類回収令の実施に伴い、寺院、教会等に於ても之に協力する為、別紙要綱に依り金属類特別回収を実施いたすことと相成りたるに付ては、貴派所属寺院、教会等を督励し、率先垂範之が供出を為さしむると共に、教団信徒に対しても一般家庭金属類特別回収の趣旨の徹底、供出の励奨に努めしめ、以つて回収の成果を挙ぐる様、格段の御配意相成度。
追て、宗教用具の供出範囲に付ては、別紙「回収品種別及概目」に依り貴宗派に於て標準を定め、所属寺院、教会等に対し具体的に御指示相成度。
又供出の実績に付ては、昭和十七年三月末に於て集計の上、御報告相成度。
尚、供出の実績に関する集計は秘の取扱にせらるる様致度、為念申添ふ。
寺院・教会等の金属類回収実施要綱
第一 対象
寺院、教会、教宗派教団所属の宗教結社及佛堂とす。
第二 回収物件
鉄、銅、黄銅、青銅、其の他銅合金を主たる材料とする物件(別紙参照)。
第三 回収の範囲
宗教用具、境内工作物及其の付属物、一般什器等にして第二項に該当するものは、廃品不用品は固より、軍需品に在りても予備あるもの、代用可能のもの、使用を中止し得るものは、祭典法要又は儀式等に直接支障を来さざる限度に於て出来得る限り供出すること。
但し、左記該当のものは之を除くこと。
1.神鏡、佛體、十字架等の如く直接信仰の対象と為り又は礼拝の用に供するもの
2.国宝及国宝に指定申請中のもの
3.重要美術品等認定物件及重要美術品等に認定申請中のもの
4.史跡又は名勝指定地域内に存する保存上特に必要あるもの
5.寺院又は教会の宝物台帳に登載せられあるもの
6.歴史上・美術上又は当該寺院・教会の由緒上特に保存の必要あるもの
第四 実施方法及期間
本回収の実務は一般家庭の場合に準し、各府県に設けられたる地方資源協議会の方針に則り、市区町村の計量に随ひ、財団法人戦時物資活用協会に於て大要左の如く実施するものとす。
1.回収着手の時期は十一月初旬以降とし、其の区域、順序其の他は地方資源回収協議会の決定に基き実施する。
2.買上伝票、買上代金(屑鉄又は故銅の公定価格)及代替品購入補助金(一定基準に依り算定)は、財団法人戦時物資活用協会道府県出張所に於て市区町村長に一括送付し、供出者個々に対しては、市区町村長の裁量に依り市区町村長、町会長、部落長、隣組長より之を交付又は支払ふものとす。
3.回収物件の鑑定秤量は、凡て市区町村長・警察署長協議の上、地元買出人組合員中より傭上げたる買出人之に当たる。
工作物の撤去、補修、代替物設置に付ては原則として供出者自ら行ふものとし、特別の技術を要し己むを得ざるものに限り、希望に依り土木建築工業組合の工作班を斡旋するものとす。
4.買上方法は、戸別に「巡廻回収」又は一定箇所に「持寄り回収」の方法に依ることとし、土地の状況に應じ市区町村長の裁量に依るものとす。
5.集荷は市区町村長の適当と認むる場所及方法に依るものとす。
6.供出品を献納したるときは、之に相当する代金を財団法人戦時物資活用協会に於て軍に献納するものとす。
(別紙)
回収品種別及概目
一 宗教用具
梵鐘、半鐘、経鏧、伏鉦、香炉、燈籠、花立、蝋燭立、燈明用具、護摩壇用具、廉附属品、賽銭箱、銅杖、供物皿
二 境内工作物
鉄柵、金属塔、金属手洗、天水受、金属門扉
三 什器類
火鉢、燭壺、鉄瓶、薬鑵、生花華器、茶卓
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