奈良
奈良・宗円寺:日本の音風景を残すプロジェクト「鐘の音返し」新着!!
奈良県五條市(旧・西吉野村)の古刹、宗円寺を訪問しました。今回は、上田技研産業株式会社が進めるプロジェクト「鐘の音返し(かねのおんがえし)」の同行です。日本唯一の撞木メーカーである同社が取り組むもので、過疎化によって無住寺となり撞き手がいなくなったお寺の鐘に、自社開発の自動撞木システム(NAMシステム)を無償で設置する取り組みです。自動撞木システム(NAMシステム)が決まった時間にお寺の鐘を鳴らしてくれるので、宗円寺の鐘が響く音風景を未来に残すことができました。
奈良・松尾寺:ビイロク文字が迎える日本最古の厄除け寺
境内に足を踏み入れるとまず目に飛び込んでくるのが、独特な文体の案内板や“お言葉”の数々。これは「ビイロク」が書いたもので、松尾寺の名物にもなっています。「ビイロク」という名は、未来仏・弥勒(みろく)に由来しており、宗教的な敬意とユーモアが同居する、不思議な魅力のある山寺です。
奈良・長岳寺:古代の面影がのこる山辺の道と平和の鐘
創建は平安時代初期、弘仁13年(822年)と伝わる長岳寺。戦乱や火災により多くの堂宇や仏像が焼失する中、現存する鐘楼門は平安時代に建立されたもので、鐘楼門としては日本最古のものとされます。現在はこの鐘楼門に鐘はありませんが、代わりに参詣者を迎えてくれるのが、境内の池のほとりにある「平和の鐘」。昭和41年(1966年)に鋳造されたもので、誰でも自由に撞くことができます。
奈良・岡寺:飛鳥の岡に響く供出戻りの鐘
今回は、奈良県明日香村の東、岡山の中腹に佇む岡寺(おかでら)の梵鐘を紹介します。その名はシンプルに「飛鳥の岡にある寺」に由来していて、古くから親しみをこめて「岡寺」と呼ばれてきました。正式には「龍蓋寺(りゅうがいじ)」として、創建から1300年の歴史を誇る古刹です。
奈良・飛鳥寺:日本最初のお寺に伝わる昭和の名鐘
飛鳥寺は、日本で初めて本格的に建立された仏教寺院です。推古天皇4年(596年)、蘇我馬子が氏寺として建立しました。本堂には日本最古の仏像である飛鳥大仏(銅造釈迦如来坐像)が安置されています。飛鳥大仏は平安時代の仁和3年(887年)と鎌倉時代の建久7年(1196年)に火災で損傷を受けながらも、幾度もの修復を経て、1400年以上にわたって当時の面影を伝え続けています。
奈良・法隆寺東院:お正月を告げる中宮寺の鐘(重要文化財)
お正月の法隆寺で東院の梵鐘を取材しました。法隆寺は広大で、東院(とういん)と西院(さいいん)に分かれています。世界最古の木造建築物群として有名な西院には奈良時代の梵鐘が伝わっています。一方、東院にも同じく奈良時代のものと思われる日本最古級の梵鐘があり、これはお正月三が日のみ撞かれる貴重な鐘です。
奈良・法隆寺(西円堂):柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺
法隆寺にはいくつかの鐘がありますが、子規が訪れた日(10月24日または10月26日)に鳴っていたのは、西円堂の鐘だけでした。西円堂は、法隆寺境内の最も西に位置する八角堂で、小高い丘の上に建っています。五重塔よりも高い場所にあるため、境内のどこからでも鐘の音を聞くことができます。
奈良・榮山寺:藤原南家に伝わる菅原道真ゆかりの梵鐘(国宝)
奈良県五條市の榮山寺は、藤原南家の武智麻呂によって創建された歴史あるお寺です。武智麻呂の子である藤原仲麻呂が建立したと伝えられる八角堂は奈良時代初期の状態をそのまま今に伝えています。1300年前の建築物でありながら、建てられた時期が特定できている点でも貴重な文化財で国宝に指定されています。
奈良・當麻寺:古代の聖地に伝わる現存最古級の梵鐘(国宝)
邪馬台国の有力候補地とされる古代奈良盆地。朝日が昇る三輪山と日が沈む二上山は特別な聖地として崇められ、地域は大いに栄えていました。二上山の東麓には修験道の開祖とされる役行者(えんのぎょうじゃ)の私領があり、彼が修行した最初の地が當麻です。役行者が寄進した場所にできたお寺が當麻寺となりました。天武天皇10年(白鳳9年・681)の出来事と考えられています。
奈良・やまぞえ不動院:再建された鐘楼と80年ぶりに響く平和の鐘
2024年12月7日、奈良県山添村の『やまぞえ不動院』で再建された鐘楼のオープニングセレモニーが開催されました。昭和19年4月に梵鐘が戦時供出されて以降、80年ぶりにお寺の鐘が村に響きました。鐘が到着する前の10月とセレモニー当日にお寺を訪問し、ご住職の前川良基様からお話を伺いました。前川様は高野山で修行を積まれた後、平成19年からこのお寺の住職を勤めておられます。お寺の住職としての務めに加え、地域活動にも熱心に取り組み、長年山添村の教育委員長を務めるなど、村の発展にも尽力されています。