京都・百万遍知恩寺:学生街に響く朝の鐘

京都大学に隣接し、学生街として賑わう百万遍エリアの中心に建つのが浄土宗大本山・知恩寺です。実際には「百万遍」という地名は存在しませんが、この一帯をそう呼ぶようになったのは、知恩寺に由来しています。学生向けの飲食店が立ち並ぶエリアの象徴として、地元の人々から親しまれてきました。

「百万遍」の名の由来

その名が生まれたのは後醍醐天皇の時代。1331年、京都では大地震が起こり、疫病が広がって多くの人が命を落としました。そこで、天皇の勅命を受けた住職・空圓が七日間にわたり念仏を百万遍唱えたところ、流行が鎮まったと伝えられています。この出来事から知恩寺に「百万遍」の名が与えられました。

梵鐘しらべ

時間毎日朝6時
打数
前捨て鐘
実質
後捨て鐘

梵鐘ものがたり

国の重要文化財・鐘楼

総門をくぐり本堂へ向かうと、左手に重厚な鐘楼が現れます。これは元禄16年(1703)に建てられたもので、国の重要文化財に指定されています。堂々たる木造建築は、学生街の喧騒の中でも静かに佇み、歴史の重みを伝えています。

朝鮮様式を取り入れた梵鐘

この鐘楼に吊られている梵鐘は、寛文9年(1669)に鋳造されたもの。鋳物師・和田国次の手による名品で、仏像や天人の姿を表した装飾には朝鮮鐘の影響が見られる貴重な作品です。その異国的な意匠は、当時の文化交流を偲ばせてくれます。

アクセス

住所

京都府京都市左京区田中門前町103

お寺の鐘しらべ管理人

  • 東京在住のサラリーマン
  • 梵鐘の愛好家
  • 出張先や夜時間に梵活中

皆さんお寺で鐘を鳴らした経験があると思います。お寺の鐘、梵鐘(ぼんしょう)はとても身近な文化です。それぞれの寺や地域の歴史を反映し、豊富なバリエーションが存在します。

しかし最近では騒音問題や人手不足により、その文化は急速に失われつつあります。日々の生活や街の風景が変わる中で、鐘の音は変わらない唯一の文化遺産です。

「お寺の鐘しらべ」では、梵鐘にまつわる文化や歴史を通して、鐘の魅力を発信しています。朝活やお仕事後のひとときに楽しめるプチ旅行の参考としてもご活用いただけます。

一緒に梵鐘を巡る旅に出かけましょう!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA